はじめに
こんにちは、KUDs です。
この記事では、Mac に Homebrew(ホームブリュー) を導入します。
所要時間は10〜15分ほど(ダウンロードの待ち時間が大半です)、費用はかかりません。
正直に言うと、この回だけを読んでも「何が嬉しいのか」が分かりにくいと思います。
目に見える成果物が何もできないからです。
それでも先にやっておくべき理由があります。
ここを済ませておくと、このあとのツール導入がすべて1行で終わり、しかもその1行を AI に任せられるようになります。
土台を作る回だと思ってください。
この記事について
この記事は、AWS を初めて触る方向けのシリーズの1本です。
シリーズ全体の地図と読む順番は、ロードマップにまとめてあります。

AWS の知識は不要なので、「Mac に Homebrew を入れたいだけ」という方もここだけ読んでいただけます。
シリーズとして読んでいる方は、前回の「アカウントの初期設定」が終わっていれば大丈夫です。

先に確認: macOS のバージョン
Homebrew は macOS Sonoma(14)以上が必要です。
画面左上のアップルマーク →「このMacについて」で確認してください。
それより古い場合は、この回を飛ばして構いません。以降の記事には、Homebrew を使わないインストール手順も併記してあります。
Homebrew とは何か
Homebrew は、Mac でソフトウェアをコマンドで install / update / uninstall するための仕組みです。
こういうものを「パッケージ管理ツール」と呼びます。
普段アプリを入れるときは、こうしていると思います。
公式サイトを探す → ダウンロード → ダブルクリック → 画面の指示に従う → アプリケーションフォルダにドラッグ
Homebrew があると、これが1行になります。
brew install パッケージ名
App Store には並んでいない開発者向けのツールが大量に登録されていて、エンジニアの Mac にはほぼ必ず入っています。
なぜ入れるのか
理由1: 以降のツールが1行で入る
このあと使うツールは、すべて Homebrew に登録されています。
| ツール | コマンド |
|---|---|
| AWS CLI | brew install awscli |
| VS Code | brew install --cask visual-studio-code |
| GitHub CLI | brew install gh |
公式サイトを探してダウンロードして…という手順が全部消えます。
理由2: AI に任せられるようになる(いちばん重要)
これがこの記事を書いた最大の理由です。
このシリーズの目的は、AI(Claude Code)に作業を任せられる環境を作ることです。
ところが、ダウンロードしてダブルクリックする形式のインストーラーは、AI には実行できません。画面をクリックする作業だからです。
つまり Homebrew がないと、新しいツールが必要になるたびに、そこだけ人間が手を動かすことになります。
「〇〇を入れておいて」と頼めない環境は、AI と作業するうえでかなり不便です。
Homebrew を入れておけば、こう頼めます。
jq というツールを入れて、この JSON を整形して表示してください
Claude が brew install jq を提案し、あなたが承認すれば、それで終わりです。
理由3: 更新を一元管理できる
個別にインストールしたアプリは、それぞれ自分で更新を確認する必要があります。
Homebrew で入れたものは、1つのコマンドでまとめて更新できます。
brew upgrade
セキュリティの観点でも、更新されていないツールを放置しないのは大事です。
事前準備: Xcode Command Line Tools を入れる
Homebrew を動かすには、Xcode Command Line Tools(コマンドラインツール) が必要です。
Apple が配布している、開発向けの基本的な道具のセットです。
ターミナル(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)を開いて、次を実行してください。
xcode-select --install
ダイアログが表示されるので、「インストール」をクリックし、使用許諾に同意します。
数GB のダウンロードが発生します。 回線によって数分〜十数分かかるので、待っている間に次の章を読んでおいてください。
すでに入っている場合
already installed(すでにインストールされています)という趣旨のメッセージが出たら、それで問題ありません。次に進んでください。
確認したい場合は次のコマンドで、パスが表示されれば入っています。
xcode-select -p
ここで git も手に入ります
ひとつ、うれしい副産物があります。
Command Line Tools には git が含まれています。
git は、コードの変更履歴を記録するツールです。
シリーズの後半(GitHub の回)で必要になるのですが、ここで一緒に入るので、あとで改めてインストールする必要がありません。
確認してみてください。
git --version
なお、Apple が配布している git は最新版より少し古いことがありますが、このシリーズの範囲では問題ありません。
Homebrew をインストールする
準備ができたら、本体を入れます。
公式サイトに掲載されているコマンドを、そのままターミナルに貼り付けてください。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

実行すると、インストーラーが「これから何をするか」を説明して、いったん停止します。
内容を確認して、問題なければ Enter キーを押してください。
途中で Mac のログインパスワードを求められます(画面には何も表示されませんが、入力はされています)。
インターネットから直接スクリプトを実行することに抵抗がある方もいると思いますが、これは Homebrew 公式サイトが案内している正規の方法です。
不安な場合は、上の URL を開いて、掲載されているコマンドと一字一句同じであることを確認してから実行してください。
Windows をお使いの方へ
Windows にも同じような仕組みがあります。
winget(Windows パッケージマネージャー) が使える場合は、こんな形で入れられます。
winget install --id Git.Git
winget が使えない場合や、うまくいかない場合は、各ツールの公式サイトからインストーラーをダウンロードして実行する方法で問題ありません。
このシリーズの以降の記事には、Windows 向けのインストール手順も併記してあります。
【最重要】PATH を通す
この記事でいちばん大事な章です。ここを飛ばすと Homebrew は動きません。
インストールが完了すると、ターミナルに「Next steps(次にやること)」という項目が表示されます。
そこに、2〜3行のコマンドが書かれているはずです。
==> Next steps:
- Run these commands in your terminal to add Homebrew to your PATH:
echo >> /Users/<ご自身のユーザ名>/.zprofile
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv zsh)"' >> /Users/<ご自身のユーザ名>/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv zsh)"
- Run brew help to get started
- Further documentation:
"https://docs.brew.sh"
その表示されたコマンドを、そのままコピーして実行してください。
公式ドキュメントにも、はっきりこう書かれています。
When you install Homebrew, it prints some directions for updating your shell’s config. If you don’t follow those directions, Homebrew will not work.
(Homebrew をインストールすると、シェルの設定を更新するための指示が表示されます。その指示に従わないと、Homebrew は動作しません)

なぜこの作業が必要なのか
Apple Silicon の Mac では、Homebrew は /opt/homebrew という場所にインストールされます。
ところが Mac は初期状態で、この場所にコマンドがあることを知りません。
そのため「どこを探せばいいか」を教えてあげる必要があります。それが PATH を通すという作業です。
表示されるコマンドは、おおむね eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)" のような形をしています。
環境によって内容が変わるので、この記事の文字列ではなく、あなたの画面に表示されたものを使ってください。
確認する
設定できたら、次を実行します。
brew --version
バージョンが表示されれば成功です。
brew: command not found と出た場合は、PATH の設定ができていません。
ターミナルを一度閉じて開き直し、それでも駄目なら「Next steps」の指示を実行し忘れていないか確認してください。
動作確認と基本コマンド
健康診断をする
Homebrew には、設定に問題がないかを調べるコマンドがあります。
brew doctor
Your system is ready to brew.(準備できています)と出れば完璧です。
警告がいくつか出ることもありますが、エラーでなければ気にしなくて大丈夫です。動作に支障がない指摘も多く含まれています。
覚えておくコマンド
とりあえずこれだけ知っていれば足ります。
| コマンド | 何をするか |
|---|---|
brew install ツール名 | ツールを入れる |
brew install --cask アプリ名 | 画面のあるアプリを入れる(VS Code など) |
brew list | 入れたものの一覧を見る |
brew upgrade | 入れたものをまとめて最新にする |
brew uninstall ツール名 | 削除する |
brew search キーワード | 入れられるものを検索する |
install と install --cask の違いだけ補足しておきます。
install… ターミナルで使うコマンド(awscli、ghなど)install --cask… アイコンをクリックして使うアプリ(VS Code など)
どちらか分からないときは、brew search で調べるか、Claude に聞けば教えてくれます。
Claude Code に頼んでみる
Homebrew を入れた効果を、実際に体験しておきましょう。
(Claude Code の導入がまだの方は、この章は飛ばして構いません。あとで戻ってきてください)
Claude Code のパネルで、こう頼んでみてください。
jqというコマンドを入れて、使い方を簡単に教えてください。
jq は JSON を見やすく整形するツールで、AWS の出力を読むときによく使われます。
Claude は brew install jq を提案してくるはずです。
承認すれば、それだけでインストールが完了します。
これが Homebrew を入れた最大の効果です。
ダウンロードページを探す必要も、ダブルクリックする必要もありません。
「必要なものを入れておいて」と頼めば済むようになります。
うまくいかないときは
Q. brew: command not found と出ます
A. PATH の設定が終わっていません。 インストール完了時に表示された「Next steps」のコマンドを実行してください。ターミナルを閉じて開き直すのも忘れずに。画面を閉じてしまって分からない場合は、Homebrew をもう一度インストールし直せば同じ指示が再表示されます。
Q. macOS のバージョンが古くて入りません
A. Homebrew は macOS Sonoma(14)以上が必要です。それより古い場合、この回は飛ばして構いません。以降の記事には、Homebrew を使わないインストール手順も併記してあります。
Q. xcode-select --install を実行しても何も起きません
A. すでにインストール済みの可能性があります。xcode-select -p を実行して、パスが表示されれば問題ありません。
Q. インストールが途中で止まっているように見えます
A. ダウンロードに時間がかかっているだけのことが多いです。数GB あるので、回線によっては十数分かかります。しばらく待ってみてください。
Q. パスワードを入力しても反応しません
A. ターミナルでは、パスワードを入力しても画面に文字が表示されません。 入力はされているので、そのまま Enter を押してください。
Q. brew doctor で警告が出ます
A. Warning であれば、多くの場合そのまま使えます。Error の場合は内容を Claude に貼り付けて聞いてみてください。
よくある質問
Q. Homebrew は無料ですか?
A. 無料です。オープンソースのプロジェクトです。
Q. 入れると Mac が重くなりませんか?
A. Homebrew 自体は常駐せず、コマンドを実行したときだけ動きます。重くなることはありません。
Q. あとから削除できますか?
A. できます。公式にアンインストール手順が用意されています。
Q. App Store のアプリと何が違いますか?
A. App Store は Apple の審査を通ったアプリが並ぶ場所で、Homebrew は開発者向けツールが中心です。扱っているものが違うので、併用が普通です。
Q. すでに VS Code などを手で入れてしまっています
A. 問題ありません。そのまま使えます。次から Homebrew で入れれば大丈夫です。無理に入れ直す必要はありません。
Q. brew upgrade はどのくらいの頻度でやるべきですか?
A. 決まりはありませんが、月に1回程度で十分です。ただしセキュリティ更新が含まれることがあるので、あまり長く放置しないほうが安全です。
さいごに
Mac に Homebrew を導入するところまでを解説しました。
やったことは3つです。
- Xcode Command Line Tools を入れる(
gitもここで手に入ります) - Homebrew をインストールする
- PATH を通す(ここが最大のつまずきポイント)
冒頭に書いたとおり、この回には目に見える成果物がありません。
ですが、これ以降のツール導入がすべて1行で済むようになり、その1行を AI に任せられるようになりました。
次は、開発環境と AI 側の準備です。
VS Code と Claude Code の拡張機能を導入して、日本語で AI にお願いして開発ができる環境を作ります。

シリーズの全体像は、ロードマップから確認できます。

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